アンドリュー・レイノルズという男

h-shark2006-05-30

 1964年に、世界初のスケートボード・マガジン「QUARTERLY SKATEBOARD」が発行された時、出版者のジョン・センバーソンは以下のような発言を残している。
スケートボードの未来は明るく、マイナーなスポーツで終わったりはしない、ゆくゆくはオリンピックの正式種目になるだろう。確かにスケートボードには歴史は無い、しかし、それはいま君たちによって作られているのだ!」

確かにこの発言の本意としていることは、スケートボードが世界中の若者達に熱狂的に支持されている現在、実現されていると言えるだろう。
ただ一点を除いて。その一点についてアンドリュー・レイノルズという男はBAKER3というビデオが発売された時に確信的にこう述べている。
「2000年に入った頃からスケートボードが社会的に受け入れられてきた。
しかし我々BAKERはスケートボードを悪いイメージにしてしまった。
この様なVIDEOが出回る事で今後スケートボード
オリンピック種目にはならないであろう。
お礼はいらない。BAKER SKATEBOARD これこそスケートだ。」

その一点、オリンピックという指標が、過去と現在、そして未来において表に裏に位置づけられているのが、分かりやすいのだがスケートボードというスポーツの特徴的なとこだ。

まだ私はスケートボードもかじりかけで、アンドリュー・レイノルズも最近買ったエメリカのDVD「Kids in Emerica」で知ったばかりである。
その時、私はかじりかけでもあるので技の奥深さが良くわからず、なんだか結構年長のライダーが豪快なメイクをキメまくっているなー、ぐらいにしか思わず、それよりも彼がタイトなジーンズを履いていることが印象的に感じた(見識浅いから、まず見た目からという)。

それからエメリカ関係の映像をYOU TUBEで色々見ているうちに、異様に高い位置からフリップしながら突っ込んではスマートな着地を繰り返す彼の技の凄さもだんだんと分かってきたのだが(難易度が高いのばっかりだが失敗してる映像を見た事が無い)、彼のパーソナリティーにもなんだか惹かれていった。血の気の多い若手ライダーたちが寡黙そうな彼の周りを慕うように集まっている。決して激高するようなことはなく、語り口も非常にジェントルで、冷静にスケートボードというカルチャーを見つめ、尚かつプレイはハードコアに徹しているようにも見える。

見た目というのは案外意味を持っているらしく、彼のタイトなスタイル、これは最近のライダー達、特に10代のライダーに増えてきているように思うのだが、ウィキペディアスケートボードについて調べてみると、彼自身がこのスタイルのトレンドセッターであることが分かった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Skateboarding
(Fashionの項を参照)
恐らくパンクとしてのスケートボードを意識して選択したスタイルなのであろう。

そして、BAKER 3 DVDが発売された際の先ほどの発言である。これは完全にスケートボードの過激さの本質を捉えて実践しているワルーイ大人である。そう分かったら彼がかけているタレメのサングラスも異常にかっこ良く思えてきた。

そういうわけで、彼の激シブハードコアなスケートボーディングを堪能して頂きましょう。

http://www.youtube.com/watch?v=iEHfcDZaP2Q&search=Andrew%20Reynolds
(音楽エリオット・スミスだよ!)

http://www.youtube.com/watch?v=qECgQaB5Zt4&search=Andrew%20Reynolds%20BAKER
(若い頃全然違う!)

http://www.youtube.com/watch?v=CRh5PJPmqGc&search=baker%203
(ビデオフルやん、これ!)

*素人のスケートボード考察:次回はイギリスのトラッシュ系チーム、デス・スケートボードDVD「Escape from Boredom」の感想です。
(「おしゃれ」にスケボーしようと思ってたのにな・・・BAKERのデッキ欲しくなってきたよ・・・)