DVD - kids in emerica

エメリカって、ラカイやブループリント、クリシェなどのスケートボードブランドが発している「おしゃれ」な雰囲気は希薄なように感じられる。それよりも、More than mere skateboard shoes, Emerica empowers today's youth.とうたっているように、アメリカのティーンエイジャーとのリアルな呼応を大事にしているのでは、と思う。シューズやTシャツのデザインも公募して決めているらしく、多くの十代の子が頭をひねらせて「クール」なデザインをエメリカに送っているのだろう。なんか微笑ましい。
エメリカのツアーを収めたこのDVDでも、何人かの十代と思われる少年ライダーが登場し、同年代のオーディエンスからデッキを地面に叩き付ける賞賛のアプローズを受けている。そしてスケートボードの次に最大の感心事である「女の子」について頬を赤らめて語る姿の映像もあるが、やっぱりそれを見て同年代の子達は「絶対スケーターになりたい!」と心底思うのでしょう。またまた微笑ましいじゃないですか。個人的にはブライアン・ハーマンて子の垢抜けない顔が好きだ。
http://emericaskate.com/team/bryan-herman/
なかなかこのDVDの編集はかっこ良く、まずイントロのUNWOUNDの硬質なダブサウンドにのせて、チームのスケーター達の顔がモノクロの分割映像で流れるシーンがいい。UNWOUNDは他にも何曲か使われていて、車での移動のシーンで流れる'...BUT PARDON...'という思いっきり侘びた感じのインスト曲も良い。今度ちゃんと聴いてみようと思う、UNWOUND。他には何故かロキシーミュージックが何曲か。最後はマイブラのsometimes。クリアな空の中パークで飛びまくるシーンや、懐かしい感じの痛んだフィルムのような映像など、映像の使い分けが上手く30分ぐらいですっきり終わる。
タイトルや年長ライダーが少年ライダーを「ブリー(いじめ)」してるシーンから、当然のようにラリー・クラークを思い出したり、アメリカの退屈だけど独特な郊外感も感じさせ、個人的にはガス・ヴァン・サントの映画にも通じるところがあるなぁ、と思ったり。なかなかに「見れる」スケートボード・ビデオでした。