マイケル・マン、見てねーや

蓮實重彦氏がマイケル・マンガス・ヴァン・サントを対比させて、マイケル・マンこそ映画批評は擁護しなければならない、と語る以下のサイト。
http://flowerwild.net/2006/11/2006-11-08_133443.php#004
(あとでゆっくり読むためにメモ的に貼る。)


これの趣旨は分かります。が、マイケル・マンの映画の内容とは以下のようなものなのである。

==========================================================
マイアミ・バイス(2006)

 80年代に人気を博した同名TVシリーズを、当時その製作総指揮を務めていた「コラテラル」「インサイダー」のマイケル・マン監督自ら映画化したクライム・サスペンス。セレブが集う楽園都市にして、中南米と北米を結ぶ密輸の中継地として国際犯罪組織も巣くう街マイアミを舞台に、危険な潜入捜査に当たる2人の刑事の奮闘をリアルかつスタイリッシュに描く。主演は「S.W.A.T.」のコリン・ファレルと「Ray/レイ」のジェイミー・フォックス。共演に「SAYURI」のコン・リー
 マイアミ警察の特捜課(バイス)で働く刑事コンビ、ソニークロケットとリカルド・タブス。彼らは潜入捜査官として犯罪組織の中に深く潜り込む危険な任務に挑み続けていた。そんなある日、FBIなど合衆国司法機関が行なっていた合同捜査の極秘情報がドラッグ密輸コネクションに漏洩してしまう。合同捜査に従事していた関係者全員の命が危険に晒される中、合同捜査と関係のないクロケットとタブスのコンビに情報の漏洩ルートを突き止める重要な任務が託される。そこで2人は南米の危険地帯に乗り込み、北米のドラッグ・ディーラーになりすますと、さっそく犯罪組織への接触を開始するのだったが…。
==========================================================


(以上某サイトより勝手にコピペ)
これを極パーソナルに受け止めますと、正直言って自分のしょぼくれた部屋で一人DVDで見るのはつらすぎる。描かれる世界が巨大すぎて、映画が終わった後、今までの物語と部屋に取り残された自分という現実について脳内で整理するのが大変だろう。一緒に見る人が何人かいると、「んなアホな」と笑って見ることもできる。でも「マイアミ・バイス見よう」と誰かを誘ってみた場合、自分がその人に低脳扱いされるのが面倒臭い気もするし、そう考えると見るのがなかなか難しい映画だ。
もしこれが2万円ぐらいで作られた映画なら落ち着いて一人ででも見れるのだが・・・。


それよりも「自殺するロッカーが過ごす最後の数日」とか「男二人が彷徨って死ぬ」とか「高校生が学校で乱射する」とかシンプルな行動をじっくり描くガスの映画のほうが観てて心の平静が保たれる、というものだが。しょぼくれた部屋で一人でも。


さておき、蓮實重彦氏の文章はやっぱり面白いなぁ。氏が権威なのは間違いなく、そのイメージのせいで読み手は納得したり反発したくなりながら、語られる映画への関心は強くなる。マイアミ・バイスにしても「ほんまおもろいんかいな?」と思いながら、いっちょ見てやろうか、という気にはなるのだ。映画業界・批評界を活気づかせるために、うまくその権威というイメージを利用し、またそれを演じきれるたいした怪人だと思います。