THE MAN WHO SOULED THE WORLD


http://www.themanwhosouledtheworld.com/


見ました。ようやく。

90年代初頭に起こったストリートスケートブームの仕掛け人で当時業界を牛耳ったワールド・インダストリーの経営者、そしてスケーターが会社を運営できることを初めて証明した男、スティーブ・ロコ。現在のスケートの表現方法と、インダストリーの在り方の基礎を作り上げた人間、と言っても過言ではないでしょう。


ただしそのやり方は、この映画の宣伝文句の通り(「方針なんかない。朝起きたら、ただ必要なことをするだけだった」)、かなり破天荒。大企業に露骨にケンカを売り、親がギョッとするようなグラフィックのデッキでキッズの人気を博す。自ら創刊した雑誌『Big Brother』は「簡単に自殺できる方法」などの過激な記事で社会問題にまで発展。湯水のように金を使いまくり、経営破綻寸前まで追い込まれる。。。


そんな派手でアップダウンの激しい男の話、それもスケートボードにまつわる映画なんですから、面白くないわけがないです。色んな有名スケーターの当時の映像と、コメントも盛りだくさんで、90年代初頭のストリートスケートの興隆や変革する時代の雰囲気みたいなのが伝わってきて楽しいです。


ロコの相棒に担がれたのが何故かロドニー・ミューレンというのもおかしくて。ロドニーは他のスケーターが派手に遊んでいる側で、紙飛行機で物理学の理論を証明しているようなタイプなんですよね。デッキのシェイプとかも彼がかなり貢献して考えていたり。もちろんスケートが天才的なのは言うまでもないですが、実はビジネスセンスがあまり無いという側面もあったり(笑)で、少し偏った才能の持ち主なんだなぁ、と。


ボーナス・フッテージもかなりやばくて、ダニー・ウェイ、ジェーソン・リー、マーク・ゴンザレスがパリで滑ってる映像(撮影はスパイク・ジョーンズ!)なんかも収録されている。
個人的にはジェレミー・クラインのカッコよさに打ちのめされた。あのオタク野郎!


あと、やはり日本人に馴染み深いのは「Bitch」でしょうか(笑)。当時僕はスケートやっていなかったんですが、このロゴの服やバッグを身につけた女子をよく見かけて「意味分かってんのかな?」と思ったものです。Big Brother流の低脳ギャグ(Girlに対するただの嫌がらせ)が、何故か日本各地のスーパーマーケットなどで流通した、というこの不思議なブランド。現在はアメリカでもコレクターの方がいるようですね。(気持ちはなんか分かる。ちょっと欲しいもん。)

http://www.pliink.com/mt/marxy/archives/2007/04/the-fleeting-be.html




ワールド系のデッキグラフィックを多く手がけたMarc McKeeとSean Cliverのエキシビジョン、Censorship is Weak as FUCK
http://www.jackassworld.com/blog/2008/06/06/censorship-is-weak-as-fuck-–-the-art-show/


個人的にはガイ・マリアーノ「事故死」が好きかなー。

親がギョッとする絵ですよね(笑)