Credit Default Swap

トヨタCDSが7カ月ぶり高水準
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-13797420100209


金融関係のことは全く疎いが、去年NHKでやっていた「ウォール街
”モンスター”金融工学はなぜ暴走したのか」は面白かった。
ビデオが発売されたら買いたいぐらい。
(その番組については以下のブログでまとめてらっしゃいます。
以下ほとんどそこからのコピー)
http://yoiotoko.way-nifty.com/blog/2009/07/nhk-d924.html#search_word=世界恐慌


興味を持ったのはNASAでロケット開発しているような科学者に、
ウォール街で株式予想をさせ、金融のアインシュタインみたいな人材を探していたこと。
住宅ローンなどで貸した金が返ってこないリスクを集めて閉じ込めてしまう技術に、
水の浄化プロセスそっくりの理論を適用したこと、などなど。
そして、金を貸したリスクを、借り手とはまったく関係ない投資家に背負ってもらい、
その見返りに保証料のような報酬を定期的に支払う金融商品CDS
CDSについては以下ブログで分かりやすく説明されています。)
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/02/cds.html


僕の感覚的な捉え方だと、貸倒が増えれば増えるほど市場が活性化するCDSは、
現代美術の「ゴミ理論」に通じるように思った。
http://d.hatena.ne.jp/h-shark/20081223/1230026130
http://d.hatena.ne.jp/h-shark/20090716/1247737642

Dash Snow
切り裂かれ部屋中に巻き散らかされた電話帳の紙片は、ゴミなのか紙幣なのか。



さらに、MIT数学科卒クオンツのテリー・デュホン(元JPモルガン)の以下の発言。
「セクシーでとても魅力的なアイディアでした。
それは誰も思いついたことがない、金融市場におけるまったく新しいコンセプトでした。」


CDS実体経済には即さない虚構の金融理論などと言われたりしますが、
デュホン氏の発言からはその虚構の理論に酔っているような熱っぽさを感じます。
そしてその虚構の理論が、実体的である株式に影響を与えるわけですから、
虚構が現実を侵食している、というのが現在の僕達を取り巻いている経済の実情なのでしょう。
(今アメリカの経済が持ち直しているのもやはり金融工学的な取引に基づいていると思いますし。
上記番組でのジョン・ソー氏の発言。「テクノロジーが作った問題はテクノロジーで対処するしかないんです。」)


さて、そんな現在の金融の様相に負けないぐらいクレイジーでインテリジェンスで
とびっきりセクシーなバンドがいることを、僕は思い出してしまうわけで、
それはお察しの通りスティーリー・ダンなんですが
(そしてお察しの通り下にリンクを貼るのはブラック・フライデイ)、
彼等が今の経済の状況を見てどういう風に思うんだろうと考えたりもします。


また、Credit Default Swapを彷彿とさせる、Royal Scamなんてタイトルの曲もあるよな。


アメリカ人の「セクシー」感覚って、信用が負債になったり、スカムがロイヤルになったり、
王女がビッチになったり、ゴミが芸術になったりの逆転現象にゾクゾクする、というものなのかしら。