アメリカン・ハードコア

http://www.sonyclassics.com/americanhardcore/

開演前に渋谷でfut!?君と一滑りする。「今年はよう滑りましたなぁ」と、滑り納めですな。今年は板に手を出した、というか足を出した記念すべき?2006 a skate yearだった。


さて、アメリカン・ハードコアという映画ですが、自分はあまりハードコアに造詣がなく、有名なバンドぐらいしか知らないのですがそれなりに面白く見る事ができました。アメリカのハードコアが復興した時期は80年代初期、政治でいうとレーガンが大統領に就任したころにあたるが、「表」の世界では保守的なカルチャーが覆いつくされてる時期に、その反動のようにハードコアは全米に浸透していった。
ビーチボーイズのドキュメンタリーを見た時、70年代にボロボロになったビーチボーイズレーガン政権の擁立とともに復活したことを思い出したけど、80年代初期の保守具合というのは一種異様な明るさで塗りたくったような時代だったと思う。(僕はビーチボーイズ大大好きですが)
僕が子供の頃に見たアメリカ映画も、そんな能天気なアメリカ模様を感じさせてくれるものが多かった。バック・トゥ・ザ・フューチャーとかETとか。
バック・トゥ・ザ・フューチャーにET。舞台は平和な郊外の街である。広々としてクリーンな街でジョギングに励みながら健康的な生活を送る登場人物たち。でもそんな街に鬱屈としたスラッカー達がブツブツと文句を言いながら、ビール缶片手にウロウロとしていたんだな。アメリカン・ハードコアはそんな時代の闇に隠れた輩どもでギッシリだ。


体制に流されず、自分たちのやり方でやる。ゴタゴタ言わずにスピード重視の行動力。それは胸のすくような思いがするし、背中を押してくれるような気分にもさせてくれる。笑ったのがイアン・マッケイが説明する7インチジャケットの作り方。まず所有の7インチジャケットを解体して、それを紙に型取って印刷会社に発注。図形に沿って裁断してのりしろ通り接着すれば出来上がり。その間7インチの図形やらのりしろのアニメーションが流れている。なんだか工作の教育番組みたいだなぁ、と思う。先生はスキンヘッドのいかついおじさん。


あとロック系のドキュメンタリーでどうしても出てきてしまうタームが「スパイナルタップ」だ(この映画の場合、Gang Greenというもとはシンプルなハードコアだったバンドが、後にハードロック化してステージに巨大なバーチカルランプをセットするような「商業主義」に走った事を揶揄する意味で使われる。スパイナルタップの場合、巨大なストーンヘンジをステージに置く話だったが、ハードコアの場合、スケートという密接した文化を取り上げたのが面白いところ。http://www.youtube.com/watch?v=ZhwOqKAwCp8 )。
というかスパイナルタップはあらゆるカルチャーで出てくる義務教育みたいなもの。私は生のライヴも見て雑誌にレポートも書いた事あるので日本国内ではだいぶ優等生だと思うのだが認めてくれませんかね、と全然違う話で終わる。


あ、これもタップ的だね。
http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20061230-136892.html