成瀬巳喜男「乱れ雲」

アテネ・フランセで見てきました。最近スケートビデオばっかり見てるんで、そういう視覚傾向でもってこういうクラシックな日本映画を映画館で見てみたらどう感じるんだろう?と思って(笑)



成瀬巳喜男についてはこういう方の文章のほうが勉強になると思いますので、失礼ながら勝手にリンクさせていただきます。
http://www.cmn.hs.h.kyoto-u.ac.jp/CMN3/text1.html


司葉子の清楚な美しさが魅力的。女性の複雑に揺れ動く心の機微を、巧みに描き出す監督の技量に改めて感心。加山雄三の「ちょっと馬鹿じゃないか?」と思わせるまっすぐすぎるキャラクターも、最終的には共感させるような形で上手く作品に閉じ込めてある。


ストーリーはドラマチックなメロドラマなんだけど、最近の映画やテレビのそれのように大げさではなく、全体的に品のあるまとまりをしているのがよろしいですなぁ、と。


舞台は東京と青森なのですが、どちらも背景がスマートだと思いました(スケート的見解:笑)。
都会の様子もゴチャゴチャしたところがなく、無駄をそぎ落としたようだし、田舎の湖や森など自然を収めた映像もスタイリッシュな感じさえする。
多分構図が良いんでしょうね。専門的なことは分かりませんが。その映像の洗練具合が、登場人物の心の動きを観る人にスムーズに伝える効果を果たしているような気もします。


たまにはこういうのも観ないとね(笑)


あ、アテネフランセではもうすぐフレデリック・ワイズマン映画祭というとんでもない祭が始まりますよ!