SB Skateboard Journal 2008 MIDSUMMER 〜City State Ments〜


毎回明確なコンセプトの編集でスケートカルチャーを深く掘り下げるSBですが、今回のテーマは「City State Ments」。世界各都市におけるスケートボーディングの在り方を照らし出す。


個人的にやっぱり気になっていたのはポートランドで、ブレント・アチリーのインタビューは「待ってました」というのが正直な感想。彼が語っている通りバーンサイドスケートパークというのは「スケートボーディング界最大の隠し玉」だったのだけど、ここに来てそれが「パラノイドパーク」の舞台になったり、またこうしてブレント・アチリーが自ら語りだしたりと、その存在がどんどんオープンになってきているように感じる。


ロサンゼルスのページもなかなか面白く、先ず見開きの夜景の写真に圧倒される。ややもすればAOR的に甘く退屈になりがちな風景写真だが、これは冷たい緊張感を孕んでおり、そこに住んでいる人の疎外感とかが伝わってきそう。この写真はロサンゼルスが持っているある種独特の雰囲気を捉えていると思う。
イントロで「ロスを象徴するようなフッテージを残したスケーター」としてスティーブ・ベラとヒース・カーチャートを紹介しつつ、AVEが「ガイ・マリアーノこそがロサンゼルス的なスタイル」と指摘するのも頷けた。


(これは独り言ですが、今回のSBは映画になぞらえて「都市とスケート」を語る、というスタイルを多く取っているのだが、上記4人のロサンゼルス・スケーターの名前を見て、個人的に思い出す映画は「マグノリア」なんですよね。あれもロス的絶望感を代表する映画でした。(そういえばラカイが「マグノリア」をパロディにしたフッテージ作ってたな。))


あと、「東京」のページで赤熊寛敬が言ってた異様にスケートに理解のある役所の方の話も面白くて。ちょっとあの辺りは興味がありますね〜(笑)。


もちろんサンフランシスコもブゼニッツ、スコット・ボーン(プーマ離脱のことはまだ非公式?)、ゴンズと次々と大物スケーター達に出会える「本当かよ!?」という街として紹介されていて・・・とにかく色々と読み応えのある内容です。


(あれ、ロンドンのスケートボード救急隊員はジョークじゃなかったの?
http://d.hatena.ne.jp/h-shark/20070827/1188200235


しかし毎号充実した内容と美しい写真を出版してくださるSBの方々には敬意を払うしかないですね。ありがとうございます。おいしくいただけました!



*追記
「異様にスケートに理解のある役所の方」は、田町のスポットにセクション設置等尽力された公園緑地整備課のO氏、と書いてありました。
http://www.j-skateboard.com/spots/tokyo/tokyo.htm