小島信夫

今日小島信夫が亡くなったらしい。ご冥福をお祈りします。
小島氏の作品は「感情移入しにくい」「文体は決して模範的ではない」「物語の整合性が見えにくい」などの特徴があげられるかと思う。それらは小説としては一歩間違えれば破綻する要因ともなりえる。しかし小島信夫の小説は読後しっかりと不思議な感銘を残す。ベタに言えば表現の自由を決してわざとらしくなく読み手に伝えていたのではないかと思う。そのスタイルは異常にクールで格好良かった。時代が変わっても決して古びないその作品群を、これからも僕たちが読みそこにある世界を考えていく価値は十分すぎるほどあると思う。
そういわけなので、お亡くなりなられたのは非常に残念なのだが、これからもよろしくお願いします、と言いたいです。